【内閣府 公益法人メールマガジン】第106号 令和2年9月30日発行
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内閣府 公益法人メールマガジン 第106 号 令和2 年9 月30 日発行
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【目次】
1. 公益法人運営のワンポイントアドバイス
2. 政府からのお知らせ
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1. 公益法人運営のワンポイントアドバイス
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■役員等の法人に対する損害賠償責任等について
3月末を決算期とする法人では、6月末の決算報告を終えて新たな役員を迎えた法人も多
いことでしょう。また、今般の新型コロナウイルス感染症拡大後に初めての書面決議による
理事会やテレビ会議の活用を経験したりする中で、改めて有事に備えた定款の定め方等に
ついて話し合う機会も増えていることと思います。そこで今回は、普段はあまり注目される
ことはありませんが、役員等の損害賠償責任と定款・登記の関係について、ポイントを押さ
えておきたいと思います。
理事、監事若しくは会計監査人又は評議員(以下「役員等」といいます。)が職務を行うに
あたって、その任務を怠ったときは、法人に対して損害を賠償する義務を負います(一般社
団法人及び一般財団法人に関する法律第111条第1項、同第198条)。
そして、原則として、この責任は総社員(財団法人の場合は総評議員)の同意がなければ免
除することができません(同第112条、同第198条)が以下のとおり例外があり、その
条件として定款の定めや登記が必要となる場合あります。
<例外1>
役員等の責任について、(1)当該役員等が職務を行うにつき善意かつ無重過失の場合に(2)
同第113条第1項各号(末尾参照)を控除した額の限度(以下「最低責任限度額」といい
ます。)で、社員総会(評議員会)の決議によって免除することができます(同第113条、
同第198条)。
※社団法人は同第49条第2項の社員総会決議、財団法人は同第189条第2項の評議
員会決議が必要です。
<例外2>
役員等の責任について、(1)当該役員等が職務を行うにつき善意かつ無重過失の場合に(2)
責任の原因となった事実の内容や職務執行の状況等を勘案して特に必要と認めるときは、
(3)最低責任限度額を限度として(4)理事会(理事会設置法人ではない社団法人は理事
の過半数)の決議によって免除することができる旨を定款で定めることができます(同第1
14条、同第198条)。
<例外3>
役員等(理事については、非業務執行理事であって当該法人の使用人でない者に限ります。)
の責任について、(1)当該役員等が職務を行うにつき善意かつ無重過失の場合に(2)定
款で定めた額の範囲内であらかじめ法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額
を限度とする旨の契約を、法人と役員等との間で締結することができる旨を定款で定める
ことができます(同第115条、同第198条)。
以上の責任免除の規定のうち、例外2及び3については、定款に定める必要があり、さらに
登記事項とされていますので、登記をしなければ善意の第三者に対抗できません(同第29
9条第1項、同第301条第2項第11号、第12号、同第302条第2項第9号、第10
号)。
登記される文言については特に制約はありませんが、それぞれ同第114条第1項及び同
第115条第1項の内容を定款に定め、それが登記事項になりますので、登記をすることを
念頭に置いて定款に規定する必要があります。
注意を要するのは、同第114条と同第115条のそれぞれ第1項の内容が登記事項とさ
れていることから、それぞれの第2項以下について定款に規定した場合でも、それらは登記
事項ではないという点です。
例えば、同第114条第4項に倣い「総社員の議決権の10分の1以上の議決権を有する社
員が1箇月以内に異議を述べたときは免除をしてはならない。」と定款に定めたとしても、
それは登記事項とはなりません。
参考 法人法第113条
(1)前条の規定にかかわらず、役員等の第111条第1項の責任は、当該役員等が職務を
行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第1号に掲げる額から第2号に掲げる額
(第115条第1項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、
社員総会の決議によって免除することができる。
一 賠償の責任を負う額
二 当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受ける
べき財産上の利益の1年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算
定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める
数を乗じて得た額
イ 代表理事:六
ロ 代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの:四
(1)理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの
(2)当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。)
(3)当該一般社団法人の使用人
ハ 理事(イ及びロに掲げるものを除く。)、監事又は会計監査人:二
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2. 政府からのお知らせ
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