【内閣府 公益法人メールマガジン】第182号 令和5年12月4日発行

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内閣府 公益法人メールマガジン 第182 号 令和5 年12 月4 日発行
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【目次】
1. 政府からのお知らせ
■新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議フォローアップ会合について
■新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議フォローアップ会合資料に関
する意見募集について
2.公益法人運営のワンポイントアドバイス
■法人名称として登記できる文字について
■収支相償についての指導に関する通報窓口の設置について(再掲)

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1.政府からのお知らせ
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■新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議フォローアップ会合について

令和5年11月30日、「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議フォロ
ーアップ会合」を開催しました。

当会合では、「最終報告」後の制度改革の進捗状況について議論を行いました。
会議の概要は以下のとおりです。

事務局から改革の全体像、スケジュール、法案の検討状況等について説明を行いました。
委員からの主な意見は、以下のとおりです。

(公益法人制度について)
・有識者会議の最終報告を踏まえ、関連法案の提出が進められていることは喜ばしい。一方、
法令の細目や、運用次第で、当初の理念に沿わない結果になることがあるため、今後の展望
に注目することが必要。
・経営の自由度拡大の一方、透明性を高めることが、今回の改革のコンセプトだが、後者は
まだはっきりとしていない。デジタルの活用が重要だが、セキュリティにコストがかかる時
代であり、その対応も課題になってくる。
・ガバナンスは重要だが、小規模法人にとって費用負担が大きいため、公益充実資金の活用
やガバナンスのために寄附を集めやすい環境整備の検討が必要。
・収支相償の見直しについて、法人の自由な経営判断を尊重するように制度を具体化して欲
しい。
・遊休財産規制の見直しについて、どのような場合に規制対象から控除される財産を保有で
きるのか、法人にどのような説明を求めるのか等、今後、制度設計で明確にしていって欲し
い。
・情報開示は、寄附者、助成先、インパクト測定を行う者等関係者が使いやすい形での開示
が重要。
・インパクト測定・マネジメントについて、公益目的事業の質の向上だけでなく、法人の意
思決定などガバナンスの向上にも資するものである。当該取組を進めるために、事例収集は
重要な一歩。民間とも協同し、普及・啓発を図ることが重要。
・公益目的事業としての出資について、各国同様、公益のための出資であることが要件と考
えられるが、新しい資本主義の考え方とも整合するのではないか。
・ガイドラインについては、ルールベースではなくプリンシプルベースのものとすることが
重要。ガイドライン、手引き、Q&A等についてなるべく全体像が分かるように整理すると
ともに、それらが独り歩きしないようにしていただきたい。
・申請する法人にとって記載の粒度、必要書類等がわかりやすいガイドラインを作成して欲
しい。
・法人の責務規定を設けることについては、国会審議も含めた今後のプロセスで広くコンセ
ンサスが得られるようにする必要があるのではないか。
・公益法人の理事・監事が大きな役割を果たしていくことになるが、この分野の人材をどう
育成していくか、官民をあげて取り組まなければならない。
・行政庁の担当者によって法令等の解釈・運用が異なることがないよう、研修に尽力いただ
きたい。

(公益信託制度について)
・公益信託制度の改革案について、法制審議会要綱のポイントである、(1)信託財産の範囲
拡大、(2)受託者の範囲拡大(主体の属性ではなく実質的な能力で判断)、(3)主務官庁制の
廃止、をいずれも具体化する内容となっている。
・公益認定等委員会での法人の公益性判定の蓄積等は、公益信託制度が一元化された場合に
も担い手の特性に応じた判断の安定性や効率性に生きてくるのではないか。
・公益法人の公益認定取消し時の公益目的取得財産残額の贈与先及び清算時の残余財産の
帰属先に公益信託を追加するなど公益法人と公益信託と接合することでシナジー効果が生
まれるのではないか。
・法制審議会では、当時の公益法人制度を踏まえた検討がなされていたと認識している。そ
れから時間が経過しており、その後の事情変更を踏まえた制度設計が重要。
・公益信託は、公益法人への寄附と比べて何が異なり、何ができるのか。寄附者だけでなく
受託者や信託管理人の受け皿となる機関に対しても、広く周知していくことが求められる。
その際、行政だけでなく民間の役割も重要。
・信託銀行が受託者になる場合、信託業法の規制を受けた契約書を作成する必要があるた
め、モデル公益信託契約書を作成する際には、それも踏まえたものにして欲しい。
・既存の公益信託は切り崩し型が前提だが、新しい公益信託では様々な形態が想定されるた
め、信託に応じた契約のひな型があるとよい。
・公益信託の軽量・軽装備という特徴は、信託事務処理がシンプルであることに依拠してお
り、例えば、美術館の運営ノウハウのある者が美術品を信託財産として受託するような形で
あれば、特徴が発揮されるのではないか。
・新しい公益信託で想定される財務三基準について、当該信託の性質に応じて、作成書類の
負担軽減が図られる制度とすることが望ましい。
・既存の公益信託の移行手続について、負荷がかかりすぎないような配慮が必要。

(共通するものその他)
・「民間公益の活性化」という目的達成のために、制度利用者が自らのニーズに合致する手
段を選択できるよう、公益法人を選ぶことが、NPO法人や公益信託を選ぶことと比べ、ど
のようなニーズに合致するかわかりやすく示せるとよい。
・大規模な資金を拠出してもらうためには営利企業との連携も重要。
・今回の制度改革は、コロナ禍での反省も踏まえ、制度をよりよくするもの。制度だけでな
く、法人関係者の考え方も変える必要がある。今後、関係者が交流するような場があればよ
いのではないか。
・法改正が期待した効果を本当に生んでいるのか、KPIを設定して事後的にチェックして
いくことが必要。
・平成20年度の改革で会計基準が大きく変わったが、今回の制度改革でも大きな変更が必
要になる。できるだけわかりやすい会計基準を作っていきたい。

■新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議フォローアップ会合資料に関す
る意見募集について

上記の「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議フォローアップ会合」の
資料の内容に関しまして、国民の皆様から幅広くご意見を伺い今後の制度改革の検討の参
考とするため、以下のとおり意見募集を行います。詳細については、下記URL のページをご
覧ください。

1 意見提出方法
意見提出フォームからご提出が可能です。詳細は、下記URL のページをご覧ください。
https://form.cao.go.jp/koeki/opinion-0038.html

2 意見提出締切日
令和5年12 月31 日(日)まで

※本アドレスや広報担当アドレスでは受付は致しかねますので、ご了承願います。

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2.公益法人運営のワンポイントアドバイス
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■法人名称として登記できる文字について

人間の名前は、主に個人を特定 ・識別するためのものです。兼好法師は、徒然草において、
「人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。何事も、珍しき事を求め、異説
を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。」と記しており、見慣れない文字を使った名前
には批判的であるようです。一方、名前に関する常識は、時代の流れとともに変化するとも
考えられます。
公益法人にも、人間の名前に相当する「名称」があります。人間の名前に用いることがで
きる文字が決められているように、法人の名称の登記に用いることができる文字も決めら
れています。
名称の登記に用いることができるのは、日本文字のほか、ローマ字その他の符号で法務大
臣の指定するものに限られています(一般社団法人等登記規則第3条において準用する商
業登記規則第50 条、平成14 年法務省告示第315 号)。
ローマ字その他の符号とは、具体的には、ローマ字(大文字及び小文字)、アラビヤ数字
(0、1等)、「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「‐」(ハ
イフン)、「.」(ピリオド)、 「 ・」 (中点)です。「&」以降の符号は、字句を区切る際の符号
として使用する場合に限り用いることができることとされており、名称の先頭又は末尾に
用いることはできません。ただし、 「.」については、省略を表すものとして名称の末尾に用
いることもできます。
上記のルールからすると、例えば、公益法人の名称として、「&メルマガセンター」は先
頭の文字が「&」であるため、「メルマガ連盟・」は末尾の文字が「・」であるため、いず
れも登記をすることができません。また、「メルマガ財団III」は、ローマ数字 (I、II 等)
を用いているため、 「メールマガジン (メルマガ)協会」は、「 (」 (カッコ)を用いているた
め、いずれも登記をすることができません。
なお、公益法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人又は公益財団法人という
文字を用いなければならないとされています(認定法第9条第3項)。公益社団法人等を前
置する場合が多いですが、後置することも可能です。
公益法人の名称の変更は、一般的に、新たな事業を開始するタイミングやイメージを刷新
したいタイミング等で行われることがあります。人間 ・法人を問わず、その名前(名称)を
考えるに当たっては、関係者の多くの思いや経緯があり、画数を気にする方もいるなど、頭
を悩ますことが多いのではないでしょうか。思案して、名称に関する定款変更の決議までこ
ぎ着けたのにもかかわらず、実は登記に用いることができない文字等が含まれていたとい
うことにならないように、上記のルールについては確認しておきましょう。

■収支相償についての指導に関する通報窓口の設置について(再掲)

収支相償については、これまでの本メールマガジンにおいても、以下のとおり周知を
行ってまいりました。

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収支相償は、公益認定法第5条第6号及び第14条に基づくものであり、公益法人が
税制優遇を受ける前提となるものです。
収支相償は、公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超え
ないという基準ですが、公益法人制度等に関するよくある質問(FAQ)問V-2-(3)に
も掲載しておりますとおり、単年度で必ず収支が均衡することまで求めるものではなく、
中長期で収支が均衡することが確認されればよいものです。
https://www.koeki-info.go.jp/faq.html
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しかしながら、一部法人からは、「収支相償に関して、毎年度、赤字を出し続けるこ
とが困難」といった声が上がっていると認識しています。
各公益法人におかれましては、あらためて上記内容をご確認いただくとともに、行政
庁から中長期での収支の均衡を考慮することなく「単年度であっても黒字を出してはい
けない(毎年度、必ず赤字でなければならない)」旨の指導を受けているということが
ありましたら、以下のメールアドレス宛に情報提供ください。
内閣府において事実確認をいたします。

〇収支相償についての指導に関する通報窓口
koeki_kaikei.j7w@cao.go.jp
※ご提供いただいた方の情報については、第三者に提供いたしません。

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https://www.koeki-info.go.jp/index.html
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