立入検査の考え方
平成21年12月24日
(平成26年5月14日一部改訂)
新公益法人 (※1)及び移行法人 (※2)の監督については、法令の規定に加えて基本的考え方を平成20 年11 月に内閣府として取りまとめたところである。
監督の具体的措置のうち、立入検査は、新公益法人及び移行法人の実態把握のための重要な手段のひとつである。「監督の基本的考え方」を踏まえ、新公益法人に対しては公益法人認定法、移行法人に対しては整備法に基づき、適正かつ効果的な監督を効率的に行うことができるよう、立入検査についての原則的な考え方を示すこととする。
(※1) 新制度の公益社団法人及び公益財団法人をいう(特例民法法人から移行の認定(整備法第 44条)を受けた場合と、新規設立の一般社団法人又は一般財団法人が公益法人認定法第4条の認定を受けた場合は同様である。)。
(※2) 特例民法法人から移行の認可(整備法第 45 条)を受けて通常の一般社団法人又は一般財団法人となり、公益目的支出計画を実施中である法人をいう。
1 新公益法人の立入検査
(1) 新公益法人の立入検査は、公益法人認定法第27 条第1 項で示された、「公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において」、すなわち法令で明確に定められた新公益法人として遵守すべき事項に関する新公益法人の事業の運営実態を確認するという観点から行う。
(2) 概ね3 年を目途に全ての法人に対する立入検査が一巡するスケジュールで実施することとする。 立入検査を適切なものとするために、年度当初までに立入検査に関する計画を毎年作成する。新公益法人の事業の運営状況に応じて立入検査の頻度を増やすなど、重点的かつ機動的な計画とする。 立入検査の対象となる新公益法人へは、立入検査実施予定日の概ね1 か月前に立入検査の実施日時、場所等を通知する。
(3) 立入検査の中で、法人関係者から要請があった場合又は必要があると判断する場合には、新公益法人制度に関する理解を深め、適切な法人運営の実施を支援する観点から、制度の詳細について説明等を行う。
(4) 公益認定審査等の際の監督担当者への申送り事項等、定期提出書類、変更の届出、報告徴収で得られた情報、外部から提供された情報等を活用し、公益目的事業の実態等立入検査を行わなければ確認が困難な事項を中心に、重点的に検査を実施する。現場における検査の状況等から検査対象事項を拡げる必要があれば、臨機応変に対応する。 法人運営全般については、理事及び監事等法人運営に責任を持つ者から説明を求める。
(5) 公益認定の基準又は欠格事由等に関連する新公益法人の問題点が発覚した場合には、問題点の重大さを勘案して、適時適切に立入検査を実施する。
2 移行法人の立入検査
移行法人の立入検査については、整備法第128 条第1 項の規定に基づき、移行法人が、次の一から三のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、特例民法法人から一般法人への移行に係る整備法の規定の施行に必要な限度において立入検査を実施することとなる。
すなわち、立入検査を行う前提条件として、公益目的支出計画の履行を確保できないと疑うに足りる相当な理由があることが必要であり、移行法人に対する立入検査は事前に計画して行うものではなく、このような事態の発生に対応して実施する。
一 正当な理由がなく、整備法第119 条第2 項第1 号の支出をしないこと。
二 各事業年度の整備法第119 条第2 項第1 号の支出が、公益目的支出計画に定めた支出に比して著しく少ないこと。
三 公益目的財産残額に比して当該移行法人の貸借対照表上の純資産額が著しく少ないにもかかわらず、整備法第125 条第1 項の変更の認可を受けず、将来における公益目的支出計画の実施に支障が生ずるおそれがあること。